はじめに
前回、『探偵業法①』(1条から8条)についてお話しました。
今回はその続きです。
探偵業務の実施に関する規制:第九条
① 探偵業者は当該探偵業務に係る調査結果が犯罪行為、違法な差別的取り扱いその他の違法な行為のために用いられることを知った時は、当該探偵業務を行ってはいけない。
② 探偵業者は、探偵業務を探偵業者以外の者に委託してはならない。
秘密の保持等:第十条
① 探偵業者の業務に従事する者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。探偵業者の義務に従事する者ではなくなった後においても同様とする。
② 探偵業者は、探偵業務に関して作成し、又は取得した文書、写真その他資料(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識できない方式で作られた記録をいう。)を含む。)について、その不正又は不当な利用を防止するため必要な措置をとらなければならない。
教育:第十一条
① 探偵業者は、その使用人その他の従業者に対し、探偵業務を適正に実施させるため、必要な教育を行わなければならない。
名簿の備付け等:第十二条
① 探偵業者は、内閣府令で定めるところにより、営業所ごとに、使用人その他従業者の名簿を備えて、必要事項を記載しなければならない。
② 探偵業者は、第四条第三項の書面を営業所の見やすい場所に掲示しなければならない。
報告及び立入検査:第十三条
① 公安委員会は、この法律の施行に必要な限度において、探偵業者に対し、その業務の状況に関し報告若しくは資料の提出を求め、又は警察職員に探偵業者の営業所を立ち入り、業務状況若しくは帳簿、書類その他物件を検査させ、若しくは関係者に質問質問させることができる。
② 前項の規定により警察職員が立入検査をするときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
③ 第一項の規定により立入検査の権限は、犯罪捜索のために認められたものと解釈してはならない。
指示:第十四条
① 公安委員会は探偵業者等がこの法律又は探偵業務に関し他の法令の規定に違反した場合において、探偵業の業務の適正な運営が害される恐れがあると認められるときは、当該探偵社に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
営業の停止等:第十五条
① 公安委員会は探偵業者等がこの法律若しくは探偵業務に関し他の法令の規定に違反した場合において、探偵業の業務の適正な運営が害される恐れがあると認められるとき、又は前条の6ヵ月以内の期間を定めて、その全部又は一部の停止を命ずることができる。
② 公安委員会は第三条各号のいずれかに該当する者が探偵業を営んでいる時は、その者に対し、営業の廃止を命ずることができる。
方面公安委員会への権限の委任:第十六条
① この法律の規定により道公安委員会の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、方面公安委員会に行わせることができす。
罰則:十七条
① 第十五条の規定による処分に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第十八条
次の各号のいずれかに該当する者は、6か月以下の懲役又は30万以下の罰金に処する。
① 第四条第一項の規定による届出をしないで探偵業を営んだ者
② 第五条の規定に違反して他人に探偵業を営ませた者
③ 第四条の規定による指示に違反した者
第十九条
次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
① 第四条第一項の届出書又は添付書類に虚偽の記載をして提出した者
② 第四条第二項の規定に違反して届出書若しくは添付書類を提出せず、又は同項の届出書若しくは添付書類に虚偽の記載をして提出した者
③ 第八条第一項若しくは第二項の規定に違反して交付せず、又はこれらの規定に規定する事項を記載しない書面若しくは虚偽の記載のある書面を交付した者
④ 第十二条第一項に規定する名簿を備え付けず、又はこれに必要な事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をした者
⑤ 第十三条第一項の規定に違反して報告をせず、若しくは資料の提出をせず、若しくは同項の報告若しくは資料の提出について虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出した者又は同項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第二十条
① 法人の代表者は又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をした時は、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金を科する。
基本理念
個人情報は、個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱われるべきことに鑑み、その適正な取り扱いが図れなければならない(第三条)。
附則
施行期間
第一条:この法律は公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
経過措置
第二条:この法律の施行の際現に探偵業を営んでいる者は、この法律の施行の日から1か月間は、第四条第一項の規定による届出をしないで、探偵業を営むことができる。
検討
第三条:この法律の規定については、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行の状況、探偵業者の業務の実態等を勘案して検討が加えられ、必要があると認められた時は、所要の措置が講ぜられるものとする。