はじめに
今回は自動車(車)を使った尾行テクニックについてお話します。
車両尾行は徒歩尾行に続き、尾行手段の中でも多く使用される尾行方法です。
また、徒歩尾行と違い、車を運転・操作しての尾行なので、危険もたくさんあります。
交通事故・交通違反など一歩間違えれば大惨事にもつながります。
写真素材|無料素材のフリーダウンロードサイト【写真AC】を写真ACでチェック!車両での尾行準備
① 徒歩による尾行と同じで、事前に適切な準備をしているか?によって成功・失敗の別れ道になってきます。ターゲット(対象者)の使用する車の車種・車番(ナンバー)を確認していることは当然として、ターゲット(対象者)の運転癖や能力も熟知する必要があります。
② 尾行者は運転能力、車両ともに良好でなければなりません。しかしこれは、高速運転の能力、性能が必要という意味ではありません。なぜならターゲット(対象者)がスピードを上げて追尾を振り切ろうとした時点で尾行はすでに失敗しているからです。それよりも事故・故障が発生しないように運転時の状況判断(見極め)・車両の整備に重点した方が良いでしょう。
③ 尾行の車両として、一般大衆車で目立たない色(白、黒、シルバー)を選びましょう。小型で小回りが利き、出足の良い車もおすすめです。大型で排気量の少ない車にすると初速でターゲット(対象者)について行けず、信号に捕まる等の可能性があります。
③ポイント
実際に車両尾行が多い地域(日常的によく車を使用する地域)では、尾行からの張り込みになるパターンが多いです。小型車を使用すると小回りが利いてよいのですが、逆に張り込み時は大変になってきます。また排気量が多い少ないなどにより、ターゲット(対象者)について行けないなどと言うことはありませんし、それにより信号に捕まるということもありません。
信号に捕まるはもはや運です。
現に四輪駆動なのかそうでないのか、現在ですとE-Hevなど車両にもいろんなタイプがあります。
現に調査員の自家用車が使用されることが多いので、どの車両を使用するかよりも、尾行者の運転能力の方が、車両尾行を成功させるポイントになってきます。
④ 光のまぶしくない白色のフォグランプ(補助ランプ)を下方に向けて装着し、ヘッドライトと交互に切り替えることによってシルエットに変化をもたせます。
⑤ 現在では、ほとんどの車に搭載されていると思いますが、カーナビがあるととても便利です。またスマートフォンの地図アプリも充実しているため、活用してみるのも良いでしょう。
⑥ トランクに積む標準的な装備のほかに、冷却水、ブースターケーブル、パンク修理剤なども常備しておきましょう。
⑦ 運転技術の中で磨くものは縦列駐車と車庫入れ、狭い道路の右左折(切り返し)、バックでの走行です。
タクティクス
車両による尾行では、失敗する危険性も高くなるので、十分な準備が必要です。よい戦術を練ることにより、失敗の可能性を最小限にくい止めることができます。
① ターゲット(対象者)の車の動きを見るだけではなく、ターゲット(対象者)の車内の動きを観察することです。『カン』に頼って予測するより、十分な観察によって得られる情報は、一秒を争う尾行の際に最も役に立ちます。
② 尾行が成功するかどうかは、事前の打ち合わせにかかってきます。それによって、必需品の準備、調査参加者の誰がその地域に詳しいか判断し、誰がドライバーにするか決定することができます。
③ ターゲット(対象者)が何度もバックミラーを見るようであれば、同乗者がシートに沈み、姿を消します。
④ 運転者、助手席、後部座席に3人(内女性1人)乗り、各自の場所を交換するだけでもターゲット(対象者)に与える印象は変化します。
⑤ 運転者は運転だけに集中すること。助手席または後部座席の人がすべてのことを行います。(ナビゲーション、ビデを撮影など)
⑥ 1台で尾行している時、追尾の車両ほかに、タクシーを拾って2台で尾行することは、警戒してるターゲット(対象者)には有効的な戦術です。
夜間の尾行
夜間の尾行は尾行者にとって有利にも不利にもなります。
① 夜間の尾行で問題なのは、調査車両のヘッドライトを、警戒している対象者が遠方からでも視認できる点です。交通量が多ければヘッドライトの識別は困難ですが、閑散とした住宅街や、田舎の一本道ではそうはいきません。夜間のヘッドライトを消灯して走行するのも一つの手段ですが、交通違反に問われるので十分に注意する必要があります。
② 警戒を防ぐ方法として、ターゲット(対象者)が信号待ちの時、そばの駐車場に入りヘッドライトを消灯します。ターゲット(対象者)が発進するまで待機し、ターゲット(対象者)が交差点を曲がった所でフォグランプを点灯させ、発進します。ターゲット(対象者)からは全く別の車に映るのです。
③ ヘッドライトはルームミラーでよく反射するため、ターゲット(対象者)の後ろで頻繁に車線変更してはいけません。警戒していなくても『うるさい奴だな・・・』と認識させてしまう恐れがあります。
④ オートバイで尾行する際は、ヘッドライトを若干下向きにしておくとターゲット(対象者)はうるさく感じません。
⑤ ターゲット(対象者)が停車した時は、尾行者は速やかに手前で停車、若しくは角を曲がって停車します。