はじめに
世の中に法律やルールがあるように、探偵にも『探偵業法』に基づきルール・決まり事があります。実際にどういった行為をすると違法になるのか解説していきます。
① 聞き込み調査
▲ 警察職員等の官公職の記章や制服を模造し、詐称しての聞き込み行為。
称号詐称・標章等窃用の罪(軽犯1条15号)* 私人の記章なら本罪を構成しない。
▲ 被調査者(対象者)の虚偽の風説(うわさ)が生じ、その人の信用が毀損されることに未必の故意を抱きながら、不適当な聞き込み調査をした場合。
信用毀損罪(刑法233条)~資産・出身の調査に際して * 告訴不要
▲ 被調査者(対象者)の虚偽の風説(うわさ)が生じ、その法人の業務が妨害されることの未必の故意を抱きながら、不適当な聞き込み調査をした場合。
業務妨害罪(刑法233条)~資産(不良債権)の調査に際して * 告訴不要
〔侮辱罪<名誉毀損罪<信用毀損罪<業務妨害罪〕/不法責任(民法710条)
② 張り込み調査
▲ 監視のために、他人が看守する住居・建造物又はその敷地、庭等、建物と接続して障壁等で囲まれている囲繞地(いにょうち)へ侵入する行為。
住居侵入罪(刑法130条)
▲ 一応公開されている建造物に侵入後、そこの看守者から退去要求されたのに、留まって監視を継続する行為。
不退去罪(刑法130条)
▲ 人が住んでいない邸宅・建物への侵入監視
潜伏の罪(軽犯罪法1条1号)⇔住居侵入罪とは非両立関係
▲ 邸宅内への覗き見
窃視の罪(軽犯罪法1条23号)
* 住居(囲繞地)侵入罪とは牽連犯(刑法54条)⇒刑法130条での処罰
* 牽連犯:原因・結果・目的・手段により重いほうの罪で処罰するルール。
③ 尾行調査
被調査者(対象者)に嫌悪感を抱かせるようなまとわり的追尾
追随等の罪(軽犯罪法1条28号)
ストーカー規制法や、地域によっては各種条例の適用がある
★ 〔微罪処分の対象〕
軽犯罪法違反についての職務質問(警職法2条⇒嫌疑の相当性が要件)を受けたときは、住所・氏名を明らかにして、逃亡の素振りを見せなければ、現行犯逮捕されることはない(刑事訴訟法217条)。
★ 任意捜査に協力しなければ、警察比例の原則により連行されるが、交通の妨げにならない場所で質問を受けるようにすれば、警察官は連行を強要できない。
微罪処分の案件は1カ月溜め込んでまとめて送致する。
④ 盗聴調査
▲ 電話の盗聴・秘聴・通信傍受
電気通信事業法第104条1項・105条 有線電気通信法14条
▲ 電話線からの盗聴
器物損壊罪(刑法261条)
▲ 電話電波の盗聴・秘聴・通信妨害
電波法第4条・59条・109条・110条
▲ 盗聴器の設置
住居侵入罪(刑法130条)・器物損壊(刑法261条)
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