探偵が請け負う調査には結婚調査雇用調査といった調査も行います。今回はこの二つの調査についてお話します。

信用調査との違い

信用調査は別名『経済関係調査』と呼ばれているのに対し、結婚調査・雇用調査は、『社会関係調査』と呼ばれています。ターゲット(対象者)の経済力よりも、経歴や性格・素行・生活態度等に重点を置く調査になります。

結婚調査は、以前なら自分の身上書(自分の略歴を公表したもの)を結婚相手の親に提出し、その記載事項に虚偽があるか否かを調査するものでした。別名『寿(ことぶき)調査』や『聞き回り』と呼ばれ、地元の人にとってはおめでたい習慣であり、名家にとっては宣伝効果もありました。聞く事答える事と言えば良いことばかりで、相手はこんな素晴らしい人物だと、調査報告書を親類縁者に見せびらかしていたのです。

現在では、地元や名家ではこの風習が残っていますが、時代の変遷とともに減少しています。代わって恋愛結婚が増えたこともあり、身上書を介さない調査が主流になってきています。また、ターゲット(対象者)本人よりも、ターゲット(対象者)の家族の生活状況などを調べることが増えてきています。

雇用調査もまた、調査内容が変わってきています。以前なら思考傾向や思考活動等を調べる事が主流でしたが、現在は、職歴、職歴の詐欺や前職場の退職理由、本人の能力調査に視点が移行してきています。

結婚調査・雇用調査の調査方法

結婚調査・雇用調査ともに調査内容は共通です。

A、本人調査

① 現在の居住先の確認

必ず居住先の現地確認をすること。虚偽の報告をしているケースが多少あります。

② 経歴(出生、学歴、職歴)

出生は戸籍謄本を取得しなければ判明できません。

学歴は、卒業名簿を取得するか、学校に問い合わせて卒業の確認を行います。

職歴は以前の職場がわかるのであれば電話問い合わせ確認をします。

③ 性格、人柄

居住先付近にて聞き込みを行い、近隣へのあいさつや生活態度などから判明します。

④ 思考傾向(学校、職場、交友関係等)

学歴・職歴等を調べた後に、現地に赴き聞き込みを行います。

⑤ 健康状態

勤務先からの尾行により、たばこやお酒の量・食欲等がわかります。

⑥ 資格、趣味、特技

勤務先から尾行や、ターゲット(対象者)の休日に尾行することにより、趣味・特技等がわかります。

B、家族調査

① 両親・兄弟姉妹に関する調査

ターゲット(対象者)の親族は住民票や戸籍謄本を取得すれば判明します。

② 家族の生活状況や家柄

家族の居住先にて現地調査を行い、賃貸なのか持ち家なのかを調べます。

また、家族の居住先周辺にて、生活状況や人柄を聞き込みます。

③ 財産や借金

持ち家の場合は、不動産登記簿謄本を取得し、抵当権等が設定されているかどうか調べます。

賃貸の場合は、家賃等を調べます。

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結婚調査と雇用調査の違い

調べる内容が一緒でも、結婚調査と雇用調査の調査方法は全く変わってきます。雇用調査は企業(依頼者)から提出された履歴書を元に調査を行いますが、結婚調査の場合は、親や親族からの依頼を受けることが多く、対象者の確実な情報がほとんどない状態で、調査の依頼を受けることが多いのです。

先述したように、結婚前に身上書を提出する習慣がなくなった昨今、まずは結婚相手の名前の確認と住所地の調査から始めなければなりませんので、当然、調査方法も調査料金も変わってきます。

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投稿者 りょうカン

東北で活動する現役探偵。 数々の調査を経験し、探偵のリアルを語っていきたいと思います。 調査経験をもとに、対策や調査料金などのちょっとしたお役立ち情報もお話していきたいと思います。