🔳 法人信用調査の現状

法人信用は、法人の資産状態によって決まります。個人と異なり法人は法人財産以外に債務の引き当てとなる物がないので、法人内部にどれだけの資産が保有されているかが問題となります。

その状態を表すものが、『財務三表』である貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、キャッシュフロー計算書(C/F)です。

現在、法人信用調査は、データバンクと呼ばれている数社の民間の専門機関が行っています。この機関も、元は探偵、調査会社だったのですが、長年の調査で膨大な法人資料を蓄積しており、他社の新規参入は非常に困難な状況となっています。

ただ、調査の方法が直調(ちょくちょう)といって、直接相手の会社へ出向いて貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、キャッシュフロー計算書(C/F)を見せてもらうか、質問形式でそれらの内容を知ろうとするものなので、信用性の鍵は相手が握っていることになります。

🔳 法人信用調査の関与

データバンクの独壇場である法人信用調査を個人の主たる営業活動にするのは、事実上不可能です。

しかし、調査過程で貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、キャッシュフロー計算書(C/F)の分析をする必要に迫られることがあります。そこで、いかに基礎的な分析法を説明します。

『貸借対照表(B/S)の分析』

【自己資本比率】

総資本額の中で自己資本がどの程度になっているかを調べることです。

自己資本/総資本×100

自己資本比率は大きすぎると発展性に問題が出てきますが、少なすぎると不安になるので、40~60%が目安です。

【総資本回転率】

売り上げと会社の総資本の比率のことです。

売上高/総資本×100

売上高に比べて総資本が少なければ総資本回転率は上昇し、会社の経営は活性化しますが、反対では負担の多い経営となります。

【流動比率】

資金安定型なのかショート型なのかを調べることです。

流動資産/流動負債×100

比率は200%が理想です。100の流動負債を支払うには、200の流動資産があれば安全圏と思われるからです。

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『損益計算書(P/L)の分析』

【売上総利益率】

同業種の業界平均と比較し、それより上回っているかを調べます。

売上総利益/売上高×100

【売上経常利益率】

会社の通常の利益率を調べることです。

経常利益/資本金×100

『キャッシュフロー計算書(C/F)の分析』

キャッシュフロー計算書とは、一時点である期首の貸借対照表(B/S)に示された現金及び現金同等物が、当期にどのような資金の流入及び流出(キャッシュフロー)があって当期末の残高になったかを簡潔明瞭に情報開示するものです。

キャッシュフロー=キャッシュインーキャッシュアウト

この計算を行う時、キャッシュの出入りが何によって生じたか、その内容によって三つの種類に区分して計算します。

・ 営業活動によるキャッシュフロー

営業収入や原材料又は仕入れの支出、人件費、経費など現金支出など、利息や配当の受取額、利息の支払額など

・ 投資活動によるキャッシュフロー

固定資産の取得及び売却、有価証券の取得及び売却など

・ 財務活動によるキャッシュフロー

借入金や株式、社債の発行、借入金の返済や配当、償還など

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投稿者 りょうカン

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