はじめに
DV(ドメスティックバイオレンス)は探偵と関係あるのか??
そう思われた方は多くないと思います。
実際、親権問題においてDV(ドメスティックバイオレンス)に関する証拠が欲しいという要望がくることもあります。
しかしDV(ドメスティックバイオレンス)は家庭内で起きていることが多く、探偵が証拠を集めるよりも、ご家族の方が証拠を集めたほうが明らかに効率がいいです。
ですがDV(ドメスティックバイオレンス)も家族の問題。パートナーの浮気などの家族問題を扱う探偵が、全く関係ないとも言い難いところはあります。
今回はDV(ドメスティックバイオレンス)防止法についてお話します。
DV(ドメスティックバイオレンス)防止法
★ DV防止法の成立・施行
『配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律』(DV防止法)は、平成13年10月13日に施行されました。
その後、平成16年12月に一部が改正されたほか、平成20年1月の一部改正では、生命等に対する脅迫も保護命令の対象となったほか、電話等の禁止、親族等への接近禁止が制定されるなど、更に保護命令制度が拡充されました。
この法律により、これまで『犯罪とまでは認識されていなかった』夫婦間の暴力が、はっきり犯罪として認定されたのです。
★ 目的
DV防止法は、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護する法律です。被害に遭っている人は配偶者暴力相談支援センターや警察に相談、援助、保護を求めたり、裁判所に保護命令の申立てをすることができます。
★ 定義
『配偶者からの暴力』とは、配偶者からの身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいいます。
この法律において『被害者』とは、配偶者からの暴力を受けた者だけでなく、配偶者からの暴力を受けた後婚姻を解消した者や、当該配偶者であった者から引き続き生命又は身体に危害を受ける恐れがある者も含まれます。
また、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者が、事実上離婚したと同様の事情に入る事も含みます。
★ 国・地域公共団体の責任
国及び地域公共団体の責務として、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護する責務を有するために、婦人相談所その他の適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにするものとしています。同センターでは、被害者に対し、相談、カウンセリング、一時保護、援助等を行うものとしています。
★ 被害者の保護
配偶者からの暴力を受けている者を発見した者は、配偶者暴力相談支援センター又は警察官に通報するよう努めるものとしています。
被害者が更なる配偶者からの暴力によりその生命又は身体に重大な危害を受ける恐れが大きい時は、裁判所は、被害者の申立てにより、その生命又は身体に危害が加えられる事を防止するため、当該配偶者に対し、その次号に揚げる事項を命ずる(保護命令)ことができます。
① 当該配偶者に対し、6ヶ月間の被害者への接近禁止
② 2か月間の住居からの退去(被害者及び当該配偶者が生活の本拠を共にする場合に限ります。)
③ 子への接近禁止命令(6か月間)
④ 電話等の禁止(6か月間)
⑤ 親族等への接近禁止(6ヶ月間)
また、保護命令の申立ては、暴力を受けた状況等の一定事項を記載した申立書を、相手方の住所又は被害者の住所、居住若しくは暴力が行われた場所を管轄する地方裁判所に提出して行うものとしています。
★ 罰則
裁判所からの保護命令に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。ただし、虚偽の記載のある申立書により保護命令の申立てをした者は、10万円以下の過料になることも知っておいた方が良いでしょう。
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