調査結果:黒(成功)
調査キーワード
① 勤務先の同僚
② 広い駐車場
依頼者とターゲット
◆ 依頼者は30代半ば~後半の男性。
◆ ターゲットは依頼者の妻(以下、妻(対象者)と記す。)
序章
11月下旬。冬が近づき寒い日が続き始めたころ。
30代の男性(依頼者)が浮気調査の依頼で、私が所属する探偵事務所を訪れる。
依頼者と上司の打ち合わせ内容の資料が私のところに回ってくる。
妻(ターゲット)は年齢35歳で、結婚は7年ぐらい、子どもは2人。子供の送迎は朝:依頼者、夕方:妻(対象者)、あやしい動きがある日など、資料に記載されている。
資料に目を通していると、浮気相手(以下、男性A(二対)と記す。)の情報もあった。
浮気の発覚は、この男性A(二対)とのメールのやり取りが一番のきっかけなのかもしれない。
内容はほんの一部だったが妻(対象者)は
『やっぱ男性A(二対)がいい。』
だの
『男性A(二対)のニオイをかぐと落ち着く』
や
『ずっと一緒にいたい』
などのやり取りがあった。
そして男性A(二対)からの返答は写真画像で送られていた。
どこかの飲食店の席を背景に、男性A(二対)がほほに両手を当て、映画ホームアローンのケビン・マカリスター(マコーレー・カルキン)の様な写真。
見ているとこっちが恥ずかしくなる資料の一部を通り過ぎ、すべての内容を確認した私は、その夜さっそく予備調査を決行した。
不倫/浮気調査専門のHAL探偵社予備調査編
私は妻(対象者)の自宅と使用する車の確認を行う。
妻(対象者)と依頼者の自宅は、二階建ての賃貸アパート。
車はアパートの駐車場に停まっていた。
特別変わったところはなく極々普通な光景だったが、アパート向かい側にはすぐコンビニがある。
コンビニのお客さんから不審者扱いされていないか?
どこから人が見ているかわからない。
少し周りに気を配りながら、調査項目を淡々とこなす。
翌朝
午前6時。
私はとあるコンビニで待機していた。
妻(対象者)が勤務先に出勤する際にどこかで男性A(二対)と会ってから出勤するもの推測し、男性A(二対)の車を確認することが目的だった。
妻(対象者)の仕事は施設の食事を作る仕事。
妻(対象者)の勤務先に向かう途中のコンビニで待機していた私の前に、妻(対象者)の車が通りすぎる。
私は瞬時に尾行を開始する。
早朝で車通りは限りなく少ない。
絶妙な距離を保ちつつ、尾行を継続する。
勤務先に5分~10分で到着するという距離で、妻(対象者)の車が勤務先方向からそれる。
そして、まだ営業が始まっていない温泉施設の駐車場に停まる。
到着時には妻(対象者)の車以外は確認できなかったが、ビンゴであることはこの段階で確信した。
妻(対象者)の車が停まって10分が経過しようとしていたころ。
白色のセダン車が現れる。
セダンの車は妻(対象者)の車の横に停まり、妻(対象者)がセダン車の後部座席に移動する。
もはや男性A(二対)で間違いない。
私はセダン車のナンバーを押さえ、この段階で早朝の目的は達成し安堵した。
その後、合流してから15分ほど温泉施設の駐車場に滞在した2人の車は移動し、勤務先に出勤した。
妻(対象者)の勤務先の従業員駐車場を確認すると、セダン車も停まっており、資料に乗っていた男性A(二対)で間違いない。
調査編(1回目)
* 予備調査以降、私は別件の調査で本調査には携わっていないため、以下、調査報告書を参照した話になる。
午後5時。
妻(対象者)の退社に合わせ調査が開始する。
調査員(探偵)は2名。
調査を開始して30分が経過したころ、妻(対象者)と男性A(二対)の車が同時に勤務先から移動する。
時期は11月下旬。
周りはすでに暗くなっていた。
2人の車は同じ方向に移動し、ショッピングモールの駐車場に停まっているところを確認する。
調査員(探偵)が到着した時は、妻(対象者)の車に2人は乗っている様子である。
そして、報告書を確認していた私は驚愕する。
男性A(二対)は後部座席におり視認できないが、妻(対象者)は中腰のような体勢で運転席と助手席の間から上半身を乗り出している状態だった。
そして、妻(対象者)の車は小刻みに揺れている。
妻(対象者)の顔は快楽に満ちている。
写真で提供する報告書は、わかりずらい部分も時にはある。
特に今回のような状況は。
しかし、この報告書は違った。
明らかにカーセックスをしている様子がはっきりとわかる。
なぜ?こんなにはっきり撮影できたのか?
それは2人の性癖が幸いしたのかもしれない。
ひとつはショッピングモールの駐車場で行われた行為。
建物上部の屋内駐車場も設けられおり、人目を気にするなら屋内駐車場に停めるのがベターのはずだが、2人は建物前の屋外駐車場に停まっている。
もちろん利用者の車が頻繁に通る通路もすぐ目の前。
見られてもおかしくない。
二つ目は運転席・助手席のパワーウィンドウを開けて行為を行っていたことがあげられる。
正直一番驚いた部分はここだ。
もはや自分たちの性行為を見せびらかすような状況である。
極めつけは、事を済ませ妻(対象者)が体勢を立て直す際に、真っ白いお尻が、カメラのレンズに写り込む。
もはや言い逃れができない、完璧な証拠だ。
もちろん依頼者にはDVDを作成し、より分かりやすい証拠も提供した(DVDの方は私は確認していないが)。
車内で後部座席から助手席に移動してきた男性A(二対)が、助手席から車を降りる。
男はズボンのチャック(社会の窓)を閉め、いかにも一発きめてきました!と言わんばかりのスッキリ顔を見せていた。
報告書を呼んで私は爆笑していた。
その後、2人の行動は普通のカップルと何ら変わりない。
ショッピングモール内に配置する飲食店で食事をとり、しばらくショッピングモール内を見て回り、2人は駐車場で別れた。
別れ際、熱いキスは忘れない。
男性A(二対)の自宅を判明させたところで、この日の調査報告書は終わっていた。
『調査事例 番外編②(妻の浮気編)パート2』に続きます。