調査結果:白
調査キーワード
① 商品の購入歴。
② 水商売の女性。
依頼者とターゲット
◆ 依頼者は50代半ばの女性。
◆ ターゲットは依頼者の夫(以下、夫(対象者)と記す。)
序章
1月上旬の真冬。
50代の女性(依頼者)が事務所の戸を叩く。
依頼者は夫が浮気をしているのでは?と思い、浮気調査の依頼を申し立てた。
依頼者と上司の打ち合わせ結果から、以下のような内容で私のもとに資料が届く。
夫(対象者)の部屋から避妊具(コンドーム)とEDの薬を発見する。依頼者が時折確認すると個数が減っており使用した形跡がある。
普段、夫(対象者)はお酒を飲めない体質だが、友人とキャバクラによく行く。
浮気相手はキャバクラのキャストではないかと依頼者は推測している。
目的は
① 夫(対象者)の浮気の証拠。
② 浮気相手の身元。
である。
私はさっそく予備調査に入った。
予備調査編
夫(対象者)が仕事の都合で、他県に出張している隙に、依頼者の要望のひとつ、夫(対象者)が普段使用する車にGPS取り付け作業から行った。
GPS取り付け作業は依頼者と夫(対象者)が暮らす自宅にて行われ、私は基本依頼者と会う機会はないが、念のため作業する際に一声かけてから取り付け作業を行った。
依頼者は極々普通な女性であった。
この日は、夫(対象者)の立ち寄りそうな場所、勤務先、などを確認し予備調査を切りやめた。
4日後の週末。
予備調査の続き、面取り(本人の確認)を行った。
夫(対象者)をホームセンターで確認した。
夫(対象者)の第一印象は『間寛平』によく似た男性だった。
ホームセンターでは何も買わず、車に乗って移動する夫(対象者)。
そのまま尾行していると、コーヒー店に停まる。
私が到着したころには、夫(対象者)は店内に入店していたが、ただコーヒーを飲みに来ただけだと思った私は、駐車場で夫(対象者)が飲み終わり、店内から出て来るまで待った。
時期は真冬。
私もコーヒーが飲みたいと思いつつ、張り込みを継続して30分が経過したころ。
夫(対象者)が店内より現れる。
ここでちょっとした不意を突かれる。
夫(対象者)の他に、茶髪のロングヘアーで年齢は30代くらいの女性が同伴していた。
誰が見ても水商売してそうな女性と思う風貌だ。
恐らくこのコーヒー店で合流したのであろう。
2人の様子を見ていると、2人は手を振り合い各自家用車に向かい別れる。
今日はコーヒーを飲みに来ただけなのか?
女性は私が配置しているすぐ目の前のSUV車に乗り込む。
私は女性の身元調査に切り替え、女性の車を尾行した。
このまま自宅まで移動してくれれば、大きな収穫だったのだが。
『世の中そんなに甘くない。』
女性の車は、コーヒー店のすぐ近くにあるホットヨガに寄る。
いかにもお水仲間って感じの女性と同所で合流し、店内に入っていた。
お水のキャストはスタイリッシュな女性が多いのはこういった施設を利用し、体型維持を管理した賜物なのであろう。
その後、私は2時間の張り込みの末、女性の自宅を判明させる。
女性は平屋の県営アパートの一室に住んでいた。
女性の子供も二人確認でき、女性はシングルマザーの可能性が伺えた。
予備調査の段階で、夫(対象者)が浮気相手と思われる女性と接触し、女性の身元もほぼ判明させることに成功した。
あとは浮気の証拠として一番効果的なラブホテルの使用を待つばかりであったのだが・・・
1ヶ月後(2月)
予備調査から1ヶ月が経過した。
夫(対象者)は女性が働くキャバクラに行くことはあったが、プライベートでの接触はない。
浮気・不貞をしている人の特徴として、1ヶ月も経過すれば不貞の1回や2回はすでに行われている傾向があるが、全くない。
あくまでお客とキャストという関係だけなのか??
2人の動きが滞る中、2月は男女関係に欠かせないイベントのひとつ。
『バレンタイン』
がある。
カップルはもちろん。不倫カップルも動き出すイベントのひとつだ。
このイベントを機に2人に動きがあるものと推測した依頼者と上司は調査を予定する。
とはいえ調査要員は私1人だ。
期待を胸に依頼者と上司は私の調査結果を待つ。
私は夫(対象者)を追う。
夫(対象者)は業務中に出先で女性と接触し、不貞におよぶものと考え、調査を継続していたが・・・
夫(対象者)はしっかり業務を行い、女性と接触することは無かった。
この日は私が所属する探偵社の基本パック、3時間で調査は終了した。
浮気・不貞の話(夫の浮気)パート2に続く。
[…] 前回までのあらすじ […]